ベストドクターズ 波多江の部屋

病気と向き合う話題 (産科・周産期)#2

2016年10月7日

「妊娠と糖尿病」

糖尿病の妊婦が十分コントロールされていないまま妊娠すると,その程度がひどい場合には胎児の心奇形や神経系統の奇形を起こすことが有ることが知られています。妊娠初期の胎児は付属期として胎嚢という袋を備えていますが,管理されていない糖尿病ではこの胎嚢の形成で大きな問題を起こすことが一つの原因として関わっていることが最近メリーランド医科大学より発表されました。胎嚢に関わる血管系の形成の不全を来たし,細胞の栄養を搬送するシステムが障害され、引き続く胎児の臓器形成に大きな影響をもたらしていると考えられているのです。糖尿病は1)妊娠前から分かっている場合,2)全く糖尿病と思ってもいなかったのに,妊娠してから診断される場合,そして3)一度妊娠糖尿病の管理を受けながら,育児に追われるうちに自分の管理が疎かになり、糖尿病管理のないまま妊娠してしまうなどのパターンがありますが,1)と3)の場合は先の分娩終了から糖尿病専門医へのバトンタッチがスムースになされ、なおかつ次の妊娠前にしっかりとコントロールすることが大切です。是非糖尿病に注意を払って安全な妊娠出産へのプロセスを確保してください。

波多江

鹿児島の産婦人科 柿木病院 〒892-0846 鹿児島県鹿児島市加治屋町15-3 電話/099-224-3939
アクセス/高見馬場電停、徒歩2分 駐車場/敷地内敷地場・第二駐車場(当院と道路を挟んで向かい側)

Copyright © 2011-2023 KAKINOKI HOSPITAL All Rights Reserved.

ページトップへ戻る