やりがいの形成について
2015年7月8日
文人に限らず、あらゆる先人は「仕事を通してしか人間は成長できません」と語りかけています。
人間の行える仕事の中で、共通してなおかつ第一義的な本質は、人様にお役立てる事です。いろいろな悩みを持つ方々に寄り添い、最大限より良い形になるように医療を通じてお手伝いする行為に携わり得ることを、何よりの喜びと感じています。病気は、同時に心の揺れや心配と分離することができないのがごく普通のことです。心の揺らぎやストレスが表に出ている症状の本当の原因であることも少なくありません。
診察という限られた時間の中での、会話、表情の汲み取り、心理の動きの中から、昨日までと違う自信にあふれた新しい生活を目指す患者さんへ変わっていただくことのお手伝いも、診療に携わる者の楽しみを超えた醍醐味です。ダイナミックな人間心理の連繋こそ、人間である事の証だと思います。
『むずかしいことをやさしく、
やさしいことをふかく、
ふかいことをおもしろく、』
井上ひさし 1995 別冊歴史読本5月号 雅望くんより
副院長 H